【 ORIYATO - vol.1 パタンナー矢野さん編 - ep.8 】 徹底的なこだわり
布を織る「織屋(おりや)」が
分野の異なるプロフェッショナルと
つくり上げるプロジェクト。
【 ORIYATO 】= 織屋と。
Vol.1 パタンナー矢野さん編 8回目です。
矢野さんとつくるパンツ編は、
久しぶりの投稿となりました。
オンラインショップのJournalや、
インスタで以前の投稿を
読み返してくださいね。
さて、今日は、
「徹底的なデザインへのこだわり」
について、
パタンナー矢野さんの視点から
ご紹介します。
まずは、
両脇にある、
大きく深〜いポケットに注目。
立ったりしゃがんだりと
動きが多い現場で、
細い鉄の道具「糸通し」が
ポケットから落ちないように、
深くしています。
緻密に設計されていて、
スマホや小物がたっぷり入る
ポケットですが、
物をたくさん入れても
不思議なくらい形が崩れません。
いっぱい入って、デザインも保たれる。
そんな特徴的なポケットを
一般の方にも味わってほしくて、
販売用のパンツもあえてそのままに。
ちなみに。
ポケットの内布(スレキ)は
古橋織布の看板生地「コードレーン」。
タテ糸の太さがちがう凹凸のある
ストライプの生地。
コードレーンの色は、
黒のパンツが、グレーストライプ。
白のパンツは、ベージュストライプ。
裏面なので、表からは見えませんが、
古橋織布だからできる
贅沢な使い方をしています。
古橋織布のスタッフですら、
ポケットに手を入れた瞬間、
「何これ。こんな触りごこちのポケット初めて!」
と、感動がありました。
ずっと、手を入れていたくなる、
“極上の触り心地”です。
こだわりのポイントは
まだまだあります。
印象的な「前のボリューム」と、
前膝の一部をつまんだ「ダーツ」が
見事に計算されていてます。
“ たっぷり ” だけど、“ すっきり ”。
不思議なシルエットを構築されています。
パンツの幅は、
肌にくっつかず、太すぎない広さ。
裾は床につかないよう短めにし、
緩やかにすぼませています。
ヒップまわりは、
現場で屈んだとき、
突っ張る感じがないように
動きやすさを重視。
見た目にはゆとりがありますが、
お尻が大きく見えない
いい塩梅になっています。
ウエストぴったりで穿けば、
織機の下に潜り込んだり、
屈んだりしても、
後ろからはインナーが見えないように
股上を深く設計。
ウエストの大半がゴムなので、
腰まで落とし、ルーズに穿くと
洒落た感じも楽しめます。
ヒップの後ろのポケットは、
お尻がすっきりとキレイに見えるように、
ポケットの高さと
直線ラインをミリ単位で修正。
サンプルには、矢野さんが
縫ってはほどいてを繰り返した
ミシンの跡が刻まれていました。
最初のサンプルと
最終のサンプルを比べると
パターンの変化がよく分かりますね。
副資材もすべて矢野さんに
手配をお願いしました。
ウエスト部分は、
「ゴムにしたい派」と「見た目重視派」で、
意見が極端に分かれました。
それなら、「芯地」と「平ゴム」を
両方使いましょうと、矢野さん。
前部分のウエストには、
「芯地」と呼ばれる芯を生地でまとい、
見た目がさまになるように工夫。
岐阜県大垣市の
東海サーモさんの芯を使い、
程よい厚さで、違和感のない
自然な仕上がりになっています。
後ろのウエスト部分の「平ゴム」は、
穿き心地に直結する、重要な部分。
伸びたり、戻ったりする
絶妙なゴムの力加減にこだわり、
石川県かほく市にある
二口製紐(ふたくちせいちゅう)さんの
ものを採用しました。
矢野さんのキャリアの中で
培われた「知識」と「経験」によって
選び抜かれた逸品です。
ファスナーは安心の
「YKKの金属製」。
高級感があり、ワークパンツらしく
カッコ良い金属製を選びました。
ただ、ここで思わぬ誤算が。。
金属ファスナーの特性で、
ファスナーの開閉を繰り返すと、
金属に塗布してある潤滑剤の「スス」が出ます。
白いパンツはどうしても、
この「スス」汚れが目立ちます。
(上の画像参照)
汚れは、前開き部分で隠れて見えませんが、
気になる方は、ウタマロ石鹸などで洗うと、
汚れは落ちますので、ご安心ください。
愛嬌と思って、
愛でていただけると幸いです。
さて次回は、
縫製についてご紹介します。
お楽しみに!